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ハッピーバースデー2014

 夜更かしは駄目よといつもは説教するママも、今日ばかりは何も言わない。あらかじめ充電が終わっているPETのスリープモードを解除して、時計の数字を確認した。
 ご、よん、さん……。
 すうっと息を吸い込む。タイミングはばっちり。

「「おめでとう!」」

 二つの声が重なって、きょとりと交わす視線も同じ。
 鏡合わせに見つめ合ったオレたちは、示し合わせたように笑い合った。

「すげー、同時!」
「ボク電子時計で計ってたのに」
「え、マジで!?」
「こっちが驚きだよ」

 電子制御のメモリよりも正確に、ぴたりとシンクロした祝いの言葉。一言一句違わないなんて、本当にびっくりだ。

「今年も一年ヨロシクな、ロックマン!」
「熱斗くん……それ何か新年の挨拶みたいだよ」

 苦笑しながら指摘してくるロックマンも、嬉しそうな表情は隠せていない。もう一度「おめでとう」と言い合うと、一歩遅れてPETからけたたましい着信音が鳴り始めた。

「うわ、急に何だ!?」
「メールだよ」

 答えながらロックマンが腕を払うと、画面上に着信リストが表示される。そこにはメイルに続いてやいと、そしてデカオの名前までが並んでいた。

「え、何これ、もしかしてお祝いメール?」
「多分、そうじゃないかな」

 こんな真夜中に送ってくるなんてマメな奴ら――いやデカオあたりはタイマー予約を使っているんだろうけど。

「あ、もう一件届いたよ」

 ピピピと軽快な音が鳴って、リストに新しい一行が追加される。

「炎山まで……!」

 意外な名前に驚きの声を上げると、ロックマンのすぐ横に赤い鎧の戦士が姿を現した。

「夜分遅くに失礼する」
「ブルース!?」
「炎山様からのメールを預かってきた。確かに渡したぞ」
「え、ちょ」
「あと、緊急事態でも無ければPETの回線は繋いでおけ。オフラインで入れず待たされた」
「は、何――」

 一瞬言われたことの意味が分からず問い返そうとする。けれどブルースは用件が済んだとばかりに、呼び止める間もなく去ってしまった。
 ホームへの直通リンクなんていつの間に手に入れたんだよとか、オフラインって何だよとか、いろいろ聞きたいことは山ほどあったけれど。

「ロックマン?」

 とりあえず事情を知っていそうな相手に問いかけると、彼はびくりと肩を揺らして振り向く。

「どういうことだよ」
「あはは、ちょっと、少しだけね。ネットワークを遮断してただけだよ」
「は!? 何でそんなこと」
「――……だから」
「え、何、聞こえないって」

 ぼそぼそと呟かれた理由が良く聞こえなくて、PETのボリュームを調整する。けれどそれは必要なかったみたいで、次の瞬間には最大音量のロックマンの声が部屋中に響き渡った。

「お祝いは一番に、ボクが伝えたかったからだよ!」
「うわあっ」

 予想外の大声にのけぞった勢いで椅子から転げ落ちそうになる。机にしがみついて何とかそれを回避したオレは、改めてロックマンの顔を覗き込んだ。

「あ、そ……そうなんだ」

 うまいコメントが出て来なくて、濁すような返事になる。嬉しくてじわじわ熱くなってくる頬を、誤魔化すように指先でかいた。

「オレだって」

 そんなの、同じ気持ちだ。
 眠気も堪えて数分前から時計とにらめっこをして、一秒の狂いもなく誰よりも早く伝えたかったから。

「一番が良かったよ」

 画面に指を滑らすと、ロックマンも向こう側から手を伸ばして重ね合わせる。

「おめでとう、熱斗」

 響いたのは、ナビじゃない兄としての言葉。
 だからオレも、応えるようにその名を呼んだ。

「ハッピーバースデー、彩斗兄さん」

 何度でも、何年経っても変わらない、オレたちの生まれた記念日に。今年も最大限の感謝をこめて。

END

毎回お誕生日は似たようなネタになっちゃうけど、光兄弟はハピバを我先にと争って欲しいなという願望。
熱斗くん、彩斗兄さん、お誕生日おめでとう!


update 2014/06/10
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